静岡県内でも、いわゆる「特定空き家」が問題となっている中、湖西市は10月20日、住宅街にある空き家のブロック塀などを撤去する工事を行いました。今回は建物の所有者が存在しないため、「略式代執行」という形での作業です。
腐食が進み、天井が抜けてしまったガレージ。あちこちにひびが入り、今にも崩れそうなブロック塀。さらに…
<浜松総局 金國賢一記者>
「こちらの門柱、いくつも亀裂がが入っていて、鉄筋がむき出しになった場所もあります」
これらはすべて、JR新所原駅にほど近い住宅街の一角にある空き家の現状です。この空き家の前の道は学校の通学路で、周辺住民からは市役所に心配の声が寄せられていたといいます。
そこで…
<湖西市都市計画課 片山徳二課長>
「ここの門柱とブロック塀、鉄筋が露出したアーケード部分を撤去する」
湖西市では、特に老朽化が進み倒壊する危険性が高いと判断した部分の撤去に踏み切りました。
<湖西市都市計画課 片山課長>
「もともと、ここは会社の所有だったが、現在相続している人がいない状況」
そこで今回、湖西市が行ったのは「略式代執行」。市内では初の対応です。築60年以上だというこの建物には現在所有者がいないため、市の判断で実施したといいます。
<湖西市都市計画課 片山課長>
「年々相談、通報が増加している。1件ずつ確認しながら注視して、対応が必要な場合は実施していく」
かかる費用は40万円ほど。市では、管財人制度などを活用して回収していくとしています。
湖西市によりますと、市内で現在「特定空き家」に指定されているのは、この建物を含めて2軒。さらに周辺に影響を及ぼしかねない「注意物件」となると約340軒にも上るとのことです。市では、1件でも管理されてない空き家を減らすべく取り組みたいとしています。