ダウン症の書家、金澤翔子さんが2025年に40歳を迎えました。
力強い筆遣いから生まれた作品で多くの人の心を揺さぶってきた彼女ですが、不惑の年にひとつの決断をしました。
10月4日、浜松市の寺で始まった作品展。

初日から多くの人が訪れ、食い入るように見つめる作品を書き上げたのが、書家の金澤翔子さんです。

生まれつきダウン症の翔子さんが書を始めたのは5歳の時。
母・泰子さんから学びました。
<翔子さん>
「パワーとハッピーと感動を差し上げようと思います、受け取ってください」
二十歳の時、「生涯に一度だけ」と開いた個展が大きな反響を呼び、力強い筆遣いから生まれる純真無垢な書が多くの人の心をひきつけてきました。
<翔子さん>
「(人前で書を書くことは)楽しいですね。楽しいし、皆さんに応援してもらえてうれしい」
<泰子さん>
「私も70年、書をやっているがかなわない、翔子には」「(翔子の書は)うまい、下手じゃない。思いが凝縮されている。純度の高い魂が書く書。それが変化しない」

翔子さんの運命を変えた個展から20年。
40歳になった2025年、誰かに頼まれて新たな作品をを書くことを終えると決めました。
いまは自ら喫茶店を開き、そこでウエイトレスとして働く翔子さん。これがいまの生活の中心です。

この日、書き上げたのは寺と自分の名前から取った「龍」と「翔」の二文字です。
<翔子さん>
「40歳になりました」「みなさんが元気とハッピーと感動、笑顔になって欲しいから書きました。元気になりましたか?」
<客>
「ありがとう」
ダウン症の書家金澤翔子さん、40歳。新たな一歩を踏み出しました。
<翔子さん>
「ありがとうございます!」