議員全員がノーを突き付けました。静岡県の伊東市議会は、田久保真紀市長に対する不信任決議案を全会一致で可決しました。今後、議会を解散するのか、それとも辞職・失職か。田久保市長は今後について明言しませんでした。

市長の言動により混乱が続く伊東市。9月1日、ひとつの節目を迎えました。開会した伊東市議会9月定例会は、これまで学歴詐称疑惑を調査してきた百条委員会の報告で幕を開けました。

<百条委員会 井戸清司委員長>
「市長におかれましては、自身の立場を改めて認識するよう強く要請するとともに、果たすべき責務を取り違えることのないよう、厳しく忠告いたします」

続いて、田久保市長を刑事告発する議案が上程され、全会一致で可決。市の職員が伊東警察署に告発状を提出し、即日受理されました。

そして、いよいよ田久保市長に対する不信任決議案の採決が。

<伊東市議会 四宮和彦議員>
「市政の健全性を一刻も早く回復させて行政機能の正常化を図るために、田久保真紀市長に対し即刻、辞職を求める。よって、本市議会は田久保真紀伊東市長を信任しない。以上、決議する」

<伊東市議会 中島弘道議長>
「本案は原案の通り決定することに賛成の諸君の起立を求めます。起立全員であります。不信任決議は可決されました」

静岡県内の首長の不信任案可決は3例目です。

<田久保市長>
「市民の皆さまには大変なご心配とご迷惑をおかけしていること、改めましてこの場をお借りして謝罪したいと思います。本当に申し訳ありません。またですね、本日の議会の決定に関しましては受け止めさせていただきました。本日はこれ以上のコメントはできませんので失礼させていただきます」

<報道陣>
「辞職?議会解散?」「進退は?」

<田久保市長>
「きょう議会の決定をいただきましたので、一度持ち帰りまして、中身を検討させていただきたい」

議会の終了後、中島弘道議長らは市長のもとを訪れ不信任決議の通知書を手渡しました。

<伊東市議会 中島弘道議長>
「良識ある判断をお願いいたします」

<田久保市長>
「きょういただきましたので、中身をしっかり精査させていただきたい。そのように考えております」

<中島議長>
「議会としては、一刻も早く市長が辞職していただくことを望んでいます。どうぞ、よろしくお願いします」

<田久保市長>
「ご意向は受け止めました。ありがとうございました」

中島議長は1日を振り返りひとつのけじめがついたと話しました。

<中島議長>
「(刑事告発と不信任決議案)両方とも全会一致ということで、きょうまで百条委員会が開いて約50日間になりますが、市政を混乱させ、市民を不安に陥れ、本当に迷惑をかけた市長に対して、ひとつのけじめがついたと思います」

青木敬博副議長は田久保市長が議会の解散を選んだ場合について「大義のない解散」だと牽制しました。

<伊東市議会 青木敬博副議長>
「大義無い解散になると思いますので、現職議員は全員戻ってこれるようにしたいと思ってます。市民の皆さんが決めることですけども、もう1度戻ってきて、同じメンバーで全員不信任を突きつけるというのを考えています」

市民の代表、議員の全員からノーを突き付けられた田久保市長。今後の判断に注目が集まります。