リニア中央新幹線のトンネル工事の前段階となるボーリング調査について、静岡県は9月17日、静岡県内での実施を容認するとJR東海に回答しました。鈴木康友知事は調査実施にあたりJR東海にリスク管理や速やかな報告を求めるとしています。

<静岡県 鈴木康友知事>
「静岡県内における高速長尺先進ボーリング調査の実施を了解する旨、報告がございました。県としても了解できるものと判断し、その旨をJR東海に回答しました」

鈴木知事が9月17日に発表したのは静岡県内でのボーリング調査の実施についてです。リニア中央新幹線のトンネル工事をめぐっては、JR東海が山梨県側から静岡県側に向かって地質や地下水を調べるボーリング調査を行っています。

JR東海は、静岡県内でもボーリング調査を行うため、大井川流域の市や町、利水団体でつくる大井川利水関係協議会の了解を得たいとしていました。そして9月10日、事務局を務める県に対して協議会の意向の確認を求めていました。

鈴木知事は9月17日、協議会から「全会員合意のもと調査の実施を了解する」と報告があったと説明しました。

静岡県は調査実施を了解するとJR東海に回答し、今後、静岡県の専門部会で示されたリスク管理や調査中に不測の事態が起きた場合には速やかに報告し、対応については協議会の了解を得ることなどJR東海に真摯な対応を求めるとしています。

<静岡県 鈴木康友知事>
「まずリスク管理をしっかりしてもらうことが大前提でございます。それから報告ですね、今までもいろいろトラブルもございますので、とにかく報告については速やかに行っていただきたい」

静岡県内でのボーリング調査をめぐっては、川勝前知事が県境から300メートル以内の実施を認めていませんでした。

しかし、2024年5月、静岡県の専門部会は「技術的に適切」と判断し、鈴木知事や流域の市や町も調査への理解を示していました。ボーリング調査が実施されれば、リニア問題は大きく前進することになります。

JR東海は「リスク管理を適切に行いながら、県境を越えての静岡県内のボーリング調査を実施していく」とコメントしています。