静岡県掛川市の保育園で半数以上の保育士が3月末をもって一斉退職することが、市への取材でわかりました。背景にあるのは理事長と現場の摩擦です。
<山口駿平記者>
「理事長が示した園の急激な運営改革が一斉退職の大きな要因だということです」

保育士が一斉退職するのは、2022年4月に開園した掛川市の保育園です。園によりますと、在籍する18人の保育士のうち11人が3月末での退職の意向を示しているということです。
市によりますと理事長が掛川市の保育園において、4月以降、英語教育やプログラミング教育の推進といった運営改革を図ったものの、職員への理解が得られず、今回の一斉退職につながったということです。
この保育園を運営する法人の理事長は、2022年9月、送迎バスに園児が置き去りとなり死亡する事件が起きた幼稚園を運営する法人の理事長を務めています。
<掛川市こども希望部 沢﨑知加子部長>
「理事長の強い改革の想いというものが、今までちょっと理事長がお忙しくてなかなか園の方に来られていないというのがあったので、なかなか直接職員にお話をしていく機会がなかったという風に聞いています。そこがなかなか思いが通じ合っていないところだったのかなというのは感じています」

4月以降は新たに保育士を採用し、運営を継続する方針ですが、子どもを通わせる保護者からは不安の声が寄せられていて、3月19日までに園児8人が転園の希望を示してきたということです。
市は、園が4月以降も基準を満たす人数の保育士を確保できていることを確認していますが、定期的な訪問で適切な運営状況がなされているか確認していく方針です。
保育園は「園児及び保護者の皆様にはすでに説明を差し上げており、ご理解をいただいておりますが、今後とも丁寧にご説明を差し上げる予定です」とコメントしています。







