長野市戸隠地区の名産品竹細工を学んできた地元の中学生が自分たちで作った製品を販売しました。


27日朝の長野市・戸隠神社。テントを立て、出店の準備をするのは戸隠中学の3年生です。


地元の材料で自分たちが作った「竹のボールペン」を販売します。

3年生12人は今年、総合的な学習のテーマに竹細工を選び歴史や現状を学びました。ざるやかごなどの生活用品を中心に400年以上の伝統があるとされる戸隠竹細工。ただ2~3メートルに成長したネマガリダケが材料ですが、細い先端部分は使えません。


これを活用し、空洞の部分に市販の替え芯を入れたのが「竹のボールペン」です。この日、生徒たちが一番苦労したのがペンに付けるストラップづくりです。


細く削いだ材料を編み込むのは、竹細工づくりの技。職人の手ほどきを受けながらおよそ1.5センチ四方の市松模様の飾りを仕上げました。

生徒:「難しいけれどできるとうれしい」
生徒:「戸隠の古くから続く伝統品で結構気になっているものだし、できれば大きくなったら、職人になってみたいと思います」


中社竹細工生産組合 井上栄一さん:「ペンづくりを通して戸隠に竹細工があることをわかってもらいたい。ものをつくる完成する喜びを味わってもらえればいいなと」

生徒たちはきょう(27日)、戸隠神社の中社と奥社に分かれて、竹のボールペンとストラップを販売しました。

購入した人:「趣がある。(戸隠の竹細工は知っていた?)いまさっき教えてもらって「へえ」と思いました」

対面販売の大きな目的は竹細工の価値と魅力を伝えること。


生徒たちは観光客に積極的に声をかけました。

生徒は:「戸隠の竹細工を知らずに来ているお客さんが多かったが、お客さんにしっかり竹細工のことや戸隠のことを伝えてから、中学生が作ったんだよと伝えました」

このグループはボールペンとストラップあわせて20個ほどを1時間で完売しました。


生徒は:「自分が作ったというのもあってめちゃくちゃうれしいです」
生徒は:「自分たちで声をかけながらいろんな人が買ってくれてうれしいです」
生徒は:「竹細工は作るのが難しいと体験してわかるんですけど、それでも興味とか竹細工を好きでいる気持ちが必要だなと思いました」


売り上げは来年の3年生が竹細工の学習をするための費用に充てられる予定です。