岡山県瀬戸内市にある国立ハンセン病療養所「長島愛生園」に残る開園当時の建物「収容所」で、初めてのコンサートが10月8日に開かれました。岡山市に住む歌手、沢知恵さんらによる新たな試みです。


(歌手・沢知恵さん)
「ここは収容所…ここでパフォーマンスが行われるのは初めてのこと…」

ライフワークとしてハンセン病問題に関わり続ける沢知恵さんです。

現代美術家の山川冬樹さんとともに入所者の文芸作品を朗読し、言霊を音楽で表現しました


(♪愛生園園歌)
長島愛生園の収容所「消せない記憶はいくつもある」

昭和5年、1930年に開園した長島愛生園。

国の政策で隔離された入所者はかつてこの浜辺から上陸し、まず「収容所」で1週間ほどを過ごしました。

クレゾールの入った風呂で全身を消毒されるなど、消せない記憶はいくつもあるといいます。


(石田雅男さん)「愛生園に患者が収容されたときに、初夜をこの建物の中で過ごした、いわゆる隔離への第一歩というか、そういう思いをさせられるこの建物。複雑な気持ちできょうのコンサートを聞かせてもらおうかな」

(中尾伸治さん)「ここから出発したから、ぼくたちは。この音楽会がまたここから出発してくれたらいい。こんなところを利用してもらって、ちょっとうれしいかな」