牡蠣のシーズンといえば冬から春ですが、夏でも美味しく食べられるカキがあります。岩ガキは夏が旬ですが、実は近年、マガキでも夏に楽しめるものが出てきました。香川県の小豆島で出荷が本格化しているのは一年を通して美味しく食べられる特殊なカキです。

(池田漁業協同組合 平見悠真さん)「こちらが小豆島天領真牡蠣になります。この牡蠣は一年通して食べられるので、夏でもおいしく食べられます」

小豆島の池田漁協が「天領真牡蠣」のブランド名で売り出したのは、一年中、おいしく食べられるというマガキです。

昨年(2022年)4月から試験的に始め、現在では約5万個を育てています。

(池田漁業協同組合 平見悠真さん)「70グラム以上を基準にして出荷しています」

一般的なマガキの旬は11月から産卵前の4月頃まで。産卵後で身が痩せてしまう夏場は、食べるのに適さないと言われています。

一方、池田漁協で養殖されているのは「三倍体」と呼ばれる特殊なマガキで、産卵が起こりにくいため、一年を通して身の肥えた状態だといいます。

(平松咲季リポート)「いただきます。(試食して)プリプリです。濃厚でうま味がギュッと詰まっていて、とても美味しいです」

この養殖を始めた背景には、海の環境変化がありました。

(池田漁業協同組合 平見悠真さん)「年々とれる魚が減ってきているので(漁師の)収入が安定すればいいなと」

近年、海の貧栄養化や海水温の上昇で魚の漁獲量が減少。

漁師の新たな収入源になればと、一年を通して出荷できる三倍体の養殖を始めました。評判も上々ですが、養殖の規模が小さいため今のところ販売先は島内のみです。

(池田漁業協同組合 平見悠真さん)「販路もどんどん探していかないといけないので、島内だけでなく全国にも発信していけたら」

一年を通して楽しめる「三倍体マガキ」。ニーズが高まり養殖する漁師が増えれば島の一大産業になるでのはと、期待が寄せられています。