「平和は好きだけど、平和主義者は嫌い」

イェホールさんは倉敷市に住む佐川さん一家の自宅にホームステイをしています。母親の貴子さんと、長男で中学2年生の陽人さんとの生活です。

(佐川貴子さん)「(イェホールさんは)優しくて、陽人くんが勉強しない時は一緒に言ってくれるし」

(陽人さん)「違う文化でも、楽しく過ごせるんだなと思った」

(イェホールさん)「(陽人くんは)友達と弟の間」

イェホールさん、ウクライナには実の姉と妹がいます。貴子さんは時々彼の言葉にハッとさせられるといいます。

(佐川貴子さん)「文化や生活、自分の家族が奪われていくのに、それを見ていられないということを話していて、平和は好きだけど平和主義者は嫌いと言われて」

最近、少しずつ、ふるさとに残してきた家族の話をしてくれるようになりました。今年の11月、イェホールさんは18歳の誕生日を迎えます。

(佐川貴子さん)「徴兵で兵役があるみたいなんですけど、18歳でまだ戦争が続いていたら行かないとな」

「ウクライナの幸運とよりよい未来を」

(イェホールさん)「僕の夢は教育分野で経験を積んで上を目指すことです。だけどそれは国の問題に比べたらずっと小さい、たった1人の僕の夢。ウクライナの歴史や文化に比べたら僕の夢はずっと小さい。国の問題はもっともっと大きいんです。何より心から願っています。ウクライナの幸運とよりよい未来を」

ロシアによるウクライナ侵攻から1年。ジグノフ・イェホールさんは家族と離れ、遠い日本の地で17歳の今を生きています。