社会的な意義と今後の方向性
この研究は、人生の最期に関する本人の意思を受け止める救急医療の体制が、ルールの整備だけでなく実際の運用の面でも追いついていないことを、全国規模で初めて数字で示しました。
研究グループが目指すのは、救急車を呼ぶことを控えることでも、心肺蘇生を一律にやめることでもありません。本人の意思を現場で安全に確認し、救急医療に反映できる体制を全国に根づかせることです。
今後は、せっかく作られた手順がなぜ使われにくいのか、その理由を明らかにする研究を進めていく予定です。救急隊や医師、介護施設、家族が迷わず使える仕組みへとつなげていくことが、次の課題として求められています。
田邉客員研究員は、
「ご家族の『もしものとき』をどうするか、元気なうちに話し合っておくことが、願いを叶える第一歩になります」
と話しています。
最期の願いを社会として受け止めるための一歩は、制度の整備と同時に、家族や地域の対話から始まるのかもしれません。










