約5000日分のデータが生んだ成果

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スーパーカミオカンデは、岐阜県飛騨市神岡町の地下1000mに設置された5万トンの純水タンクと約13,000本の光電子増倍管を用いて、ニュートリノが水と相互作用した際に生じるチェレンコフ光を捉える装置です。

1996年4月に観測を開始した世界最大の地下ニュートリノ観測装置で、東京大学宇宙線研究所を実施責任機関として、日本、アメリカ、韓国、中国、ポーランド、スペイン、カナダ、イギリス、イタリア、フランス、ベトナムの約60の大学や研究機関から約250名が参加する国際共同研究体制のもとで運用されています。

今回の研究では、純水運転期間(2008年〜2020年のうち3349日)とガドリニウム導入期間(2020年〜現在のうち1653日)を合わせた合計約5000日分のデータを解析しました。

鍵となったのが、2020年から導入されたガドリニウム(Gd)の活用です。ガドリニウムは原子番号64の希土類元素であり、全元素のなかで中性子を捕獲する能力が非常に高いです。

スーパーカミオカンデの水にガドリニウムを加えることで、反電子ニュートリノが水と反応した際に生じる中性子をガドリニウムが捕獲し、新たな信号が得られます。これにより他のノイズ事象との区別が可能になり、中性子捕獲による超新星ニュートリノ信号の同定精度が向上し、バックグラウンド除去の効率が大幅に改善されました。

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解析では、ニュートリノエネルギー13.3〜81.3 MeVの領域において、大気ニュートリノ事象や宇宙線によって誘起される水中の酸素原子核の破砕事象といったバックグラウンドを精密に除去したうえで、統計的に有意な超過信号を確認しました。

超過信号の有意性は2.6σ(99.5%信頼水準)であり、偶然の変動では説明できないものの、確定段階(5σ以上)には達していないため、現時点では「兆候」と位置づけられます。推定されるフラックスは約3.6+1.6/−1.5 cm⁻²s⁻¹であり、Horiuchi+09の6 MeVモデルによる予測範囲(2.1〜3.9 cm⁻²s⁻¹)と矛盾しません。

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