生活への影響は?

──このチュウゴクアミガサハゴロモという外来種、特に私たちの生活に影響はないのでしょうか。

(東洋産業 大野竜徳さん)
「答えは『あるかもしれません』です。チュウゴクアミガサハゴロモは植物の汁を吸って生活します。

いろいろな植物を利用できる、ということで、例えば果樹類であればイチジク、ブルーベリー、カキ、カンキツ類、ブドウ、リンゴ、ナシなど、樹木であればブナ科、ツバキ属、クワなど、その他道を覆うクズなどを餌として汁を吸うことができるようです。

果樹園にとっては少々厄介ですね。ストローのような口を乱暴に植物にブスリ、いかにも植物や果実が傷みそうです。

しかし、それよりも問題なのがこのチュウゴクアミガサハゴロモの『うんち』。

甘い植物の汁を大量に吸うため、甘露と呼ばれる糖分を含んだ液体状の排泄物を大量に出します。

このうんちで汚されて葉や枝がベタベタになると、そこに『すす病』の原因となるカビの一種が発生します。

すす病が発生すると葉が黒く覆われることで光合成が妨げられ、樹木の生育や果実品質に悪影響を及ぼすことがあります。

虫そのものが一つ一つの果実に悪さをするよりも、排泄物による二次被害で広範囲にダメージを与える可能性が懸念されているのです。

すでに韓国では果樹害虫として知られており、果樹園で問題となっているそうです。

一方で、世界的にはまだ研究例がそれほど多くなく、「セアカゴケグモ」や「アルゼンチンアリ」のような侵略的外来種、日本では特定外来種に位置づけられるような生き物にはなっていません。

まだまだ新参者、しかも人を噛んだり刺したりするような虫ではないため、生態や被害については未解明な部分も多く、『これからどのような害虫になるのか』を見守っている段階ともいえます」