「今夜が山です」生と死の緊張の中で感じた恐怖

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(児島 早苗さん)【画像②】
「25年前、2000年5月15日月曜日、朝勤務している会社に1本の電話がかかりました。想像もしていなかった内容を聞き終え、受話器を置くや、手足がぶるぶる震え出しました。想像もしなかった」

病院に駆けつけた早苗さんは、息子・健仁さんの容態について説明を受けました。

「医師から、『今夜が山です』と告げられました。会社に電話がかかってきた瞬間から1日24時間、1分1秒、生と死の緊張の中で過ごしました。本当に怖かったです」

「入院13日目、夜、脳圧がどんどん高くなり、看護師さんに『薬切れたんじゃないですか?』『先生、夜ですけど、どこにおられますか?』『すぐ来てもらってください』と必死でお願いしました」

健仁さんの容態が急変した日に、早苗さんが心境を綴った日記を今も残しています。

(早苗さんの日記)
「朝、医師から話を聞き、息子と私のところに戻ってきた健仁の父親が、『もう、だめなんやー』と。泣き出す。怒った。息子の前で何てことを言うのか、生きると信じ、祈る」

「脳に送られる血の数値が、一時マイナスを示し、生きる心地がしない。うろたえ看護師さんを見つめる」

早苗さんの日記には、健仁さんが息を引きとる前日に感じた思いも記されていました。