「白備前」で知られる備前焼作家・木村玉舟さんの新たな挑戦です。普段製作している作品は伝統的な乳白色。今回はデニムの染料を用いたユニークな生きものたちです。
焼き物に、青い染料を塗っていきます。

(前田唯キャスター)
「こちら何をしている作業なんでしょうか?」
(備前焼作家 木村玉舟さん)
「これは白備前で作ったカブトガニに、今3種類のインディゴで色を付けています」

優しい青色の正体は、デニムの染料として知られる「インディゴ」。製作しているのは、白備前を手がけて30年になる備前焼作家の木村玉舟さんです。
(備前焼作家 木村玉舟さん)
「初めてちょっと挑戦してみようと思って、白備前にインディゴブルーをかけた瀬戸内海の魚たちを50点ほど集めて」

今回のテーマは…
(前田唯キャスター)
「テーマは海の生き物ということで、こちらには20種類以上並んでいます。中にはオオサンショウウオやアンモナイトもいますよ」


今年10月から始まる瀬戸内国際芸術祭の秋会期に合わせて、製作している生きものたち。瀬戸内海の魚を細かく観察して造形に生かしたり倉敷市児島地区のデニム染料を使ったり…ふるさと岡山にこだわった新たな挑戦です。
(備前焼作家 木村玉舟さん)
「ほらほら見てこれ色が変わってきた。ブルーがでてきた。これ自然になるんですよ、これ(ブルーの色)が出るまでこうやって何回も何回も」

染料は生き物だと話す木村さんです。塗っては乾かしを繰り返し、最も美しい色になってから漆を塗って仕上げます。
(備前焼作家 木村玉舟さん)
「新しい備前焼の枝葉によって王道の太い備前焼が生き残ってきたので、このインディゴの白備前も、これがまた次の令和じゃない時代につながっていくんではないかと思って今は製作しています」
作品は、今年10月から倉敷市の野崎家塩業歴史館とむかし下津井回船問屋で展示されます。