民間企業では初めての成功です。地域の生態系の保全などに取り組む岡山県瀬戸内市の岡山村田製作所が、絶滅が危惧される淡水魚「スイゲンゼニタナゴ」の繁殖に成功しました。
(岡田美奈子キャスター)
「ではこちらです」
「ありました水槽。いましたいました。小さい、1センチくらいですか」
「そうですね」
「かなり小さいんですね、かわいい」
「すごくかわいいです」

日本に分布するタナゴの中で最も小さいという「スイゲンゼニタナゴ」です。岡山と広島の一部地域にのみ生息し、絶滅の危険性が極めて高い「絶滅危惧IA類」に分類。この魚の繁殖を、先月19日に確認したといいます。
(岡山村田製作所 管理部ファシリティ課 吉永光希さん)
「(稚魚を見つけたときは)うれしかったですね、繁殖するかどうかというのは、やはり保全活動の中でも大事な部分だと思うので、思わずガッツポーズしました」

瀬戸内市で電子部品を製造する岡山村田製作所です。
環境省からの依頼を受け、敷地内にあるビオトープなどで、1年半前から「スイゲンゼニタナゴ」の保全活動に取り組んできました。

繁殖しやすい環境を整備してきた中での繁殖の成功。個体数を増やし、生息地である吉井川に放流して、生態系回復につなげることが最終的な目標だといいます。
(岡山村田製作所 管理部ファシリティ課 吉永光希さん)
「スイゲンゼニタナゴが一種の瀬戸内市のマスコットのような存在になってくれるとうれしいですし、スイゲンゼニタナゴといっても知っている人が少ない状況なので、1人でも多くの方が知ってくれたらなと思っています」

岡山村田製作所は、この保全活動を広く知ってもらい、地域一体となって取り組んでいきたいとしています。