彼が今、取り組むのは、備前の土ではなく、石を使った焼き物、その名も備前磁器です。
■800年の歴史を持つ備前焼 斬新な技法「螺法」で挑む石田さん
山々や水田の下など、備前の地に根付く良質な土で知られる備前焼。若手備前焼作家として、独自の技法で注目を集める石田和也さんです。ろくろをひき、筒を作るとバーナーで表面を焼き、内側に手を入れました。
(陶芸家 石田 和也 さん)
「螺法と名付けた技法でろくろの回転を使って内側から膨らませることでねじれが生まれる」

ろくろの回転と膨張する力。
表面に自然なねじれが生まれ、バーナーで焼いた部分にはひび割れた独特の表情が。斬新な技法ですが、根本にあるのは、土を生かす、備前焼の教えです。
(陶芸家 石田 和也 さん)
「モノづくりの根本に備前焼がある。素材の面白さ…土はこのように動く。そこが根本となり僕個人も自然の造形物が好き。『貝や地層を美しい』と感じる感覚が結びつき、今の作品になっている」