春の訪れを告げる“つくし”。

つくしを採って遊んだり、卵とじや佃煮にして味わったりした記憶のある方もいるかもしれません。しかし、つくしは実は少し厄介な一面もあるというのです。

生物学に詳しい東洋産業の大野竜徳さんに聞きました。

「つくし」という植物は存在しなかった

ーつくしはどんな植物なのでしょうか。

(東洋産業 大野竜徳さん)
「実は『つくし』という独立した植物は存在しません。つくしはスギナというシダ植物の『胞子茎(ほうしけい)』で、胞子を飛ばすために春にだけ出現します」

ーそうだったんですね!?

「胞子を撒き終えると姿を消し、夏に向けて地下茎からスギナがぐんぐん伸び始めます。そして、冬には地上部は枯れてしまいますが、春につくしとスギナを地上に再度伸ばします。なので、つくしの近くには必ずスギナがあります」

「今年は(岡山県南部では)つくしのシーズンも終わりなので、来年つくしを採集するのであれば、今の時期から夏にかけてスギナが生えているところに目星をつけ、探しに行くのがいいでしょうね」