おうちの周りで、一匹だけのんびり歩きながら、時々立ち止まってきょろきょろしているアリがいたらよく見てみましょう。
少し指を近づけたらピョン!あれ?アリは跳ねませんよね。
ひょっとしたら、アリではないかもしれません。【画像①】
アリにそっくりな生き物の正体は??
害虫駆除に詳しい東洋産業の大野竜徳さんに教えてもらいました。

アリっぽいけどアリじゃない
(大野さん)
「そんなアリにそっくりな生き物の名前は『アリグモ』と言います。ちょっとよく見てみましょう。
アリは昆虫なので脚が6本あります。【画像②】

「アリグモはクモの仲間なので脚が8本あるはずですね。でも、あれ?脚が6本に見えますね」【画像③】

ー脚2本はどこに行ったのでしょう?
(大野さん)
「なんと。アリの触角に見えた2本は脚なのです」
「その他にも、一般的にはアリには胸と腹の間に『腹柄節』と呼ばれるコブのようなものが1つか2つありますが(種類によっては見えにくいものもいます)、アリグモにはありません」
「また、外を歩いているアリの多くは複眼といわれる目が2つ見えますが、アリグモには単眼が8つあります」【画像④】

(大野さん)
「近くでよく見ればクモですが、遠目に見ると動きも姿もアリそっくりに見える姿、専門用語で『擬態』と言います」
ークモがまるでアリの真似をして、何をしているのでしょう?
(大野さん)
「これはアリの姿をまねることにより、天敵から『俺はアリだぜ!おいしくないし、こっちに攻撃したら反撃するかもよ!』というふうに見せることで身を守っているといわれます。
『虎の威を借る狐』ならぬ『アリの威を借るクモ』です」