この卵から何匹生まれそう?

(大野さん)
「その卵塊、少なくとも20~30匹くらいは稚貝が生まれてきそうですね。卵塊が大きいと100匹くらい入っていることもあります」
「ゼリーのような卵ですが、水中では透明で見づらく、しかもしっかりくっついているので、逃さず削り取ってしまいましょう。一度孵ってしまうと除去はめちゃくちゃ大変です」
「貝の仲間は雌雄同体ですので、2匹いたらとんでもない速度で増えていきます。特に、サカマキガイは自家生殖することもあるので、一匹でも増えるかもしれません」
「残った餌やメダカの死骸を片付けてくれるいい面もありますが、生き物なので酸素も消費します。特に夏は酸素が足りなくなりがちで、たくさんいる貝が死ぬと水の中の酸素をかなり消費するので気を付けてください」
ー見つけたら、除去しておいたほうが無難ですね。
「この貝は水中にいるのですが、有肺目という仲間で、平たく言うとカタツムリの仲間。なんと肺呼吸です。なので、貝は多少酸素がない汚れた水でも平気ですが、メダカは先に死んでしまいます」
「ところで、巻貝は、よく見ると水面を逆さまになって泳いだり、
ー口を動かしながら…ちょっと見てみたいです。
この卵、しばらく観察しようと思います。(続く…?)
※ホテイアオイ、サカマキガイは外来種のため、むやみに増やしたり他の地域に放したりしないようにしましょう。
【東洋産業 大野竜徳さん】
東洋産業株式会社 技術部 研究室 室長
2006年3月 岡山大学大学院自然科学研究科博士前期課程修了
中四国、関西を中心に様々な現場、一般家庭への調査、駆除(ウイルスから大型生物まで)、異物検査、文化財保護などの分野で活躍中。