マフィンが原因の体調不良や、焼肉店での集団食中毒など、全国で相次ぐ「食中毒」の被害。

夏や梅雨の時季に発生しやすいと思っている人も多いのではないでしょうか。
実は食中毒の原因のひとつ「ノロウイルス」は、1年を通して今の時期が1番注意が必要です。
ノロウイルスが好む環境は?

熊本市保健所 食品保健課 松永孝一 課長「ウイルス自体が低温で乾燥しているところで比較的長く生き延びると言われていますので、ウイルス性の食中毒は冬場に多くなります」
このようにノロウイルスなどの「ウイルス」は、温度と湿度が低い場所で強い感染力を持ちます。
実際に厚生労働省の調査でノロウイルスの患者は、11月くらいから発生件数が増え始め、12月から1月がピークとなっています。

その一方で、新型コロナの感染が国内で初めて確認された2020年を境にノロウイルスの患者は大幅に減少しています。
これは「生活習慣の変化」によるものとみられています。

手洗い・アルコール消毒は効くのか?
松永課長「ノロウイルスの食中毒の件数はコロナ禍以前に比べるとかなり減っているところがあります。やっぱり手洗いが効果があったのかなと私は考えています」

保健所では新型コロナが感染症法上5類に移行されてから、まめな手洗いが減りつつあるといわれる今、注意が必要だと指摘します。
熊本市保健所によりますと、コロナ対策で使われたアルコール消毒はノロウイルスには『ほぼ無効』だとし、手洗いで流し落とすことが有効だということです。
ノロウイルスの感染経路&予防ポイント

ノロウイルスの注意点です。
ウイルスのついた手で触った食材を食べることなどで感染します。過去には、生ものだけでなく、パンやのりなどが原因になったこともあるということです。
このため、トイレのドアノブや蛇口、そしてトイレの中で触ったスマートフォンなどが感染経路になる恐れがあるということです。

このため、ノロウイルス予防の一番のポイントは「手洗い」です。
食事の前やトイレの後などには、しっかりと石けんで手を洗ってください。アルコール消毒だけでは、殺菌効果が薄いということです。

また家庭で生肉や生カキなど、生ものを調理する際は、しっかり加熱することが大事です。
さらに調理道具も熱湯などで消毒し、まな板や包丁は肉用・野菜用などと分け、生ものを扱う箸と食べるための箸を使い分けるのもポイントです。