去年おととしと感染者が非常に少なかったインフルエンザですが、今年は「過去に例を見ない状況」となっています。
熊本市北区にある小児科。2歳の男の子が検査にやってきました。

「がんばった、がんばったね、すごかった」
11月に入って、こちらの病院では1日に20人から30人ほどが発熱の症状を訴え、インフルエンザの検査を受けているといいます。

2歳児の母親「保育園から、はやり始めたので一度診察をするようお願いされて」
小学生の姉と弟。2人とも、きのうの学校帰りから発熱などの症状があったといいます。

検査の結果…。
看護師「先生、出たらしいです。インフルエンザ」

検査の結果は2人とも陽性。5日間の出席停止となりました。
通っている小学校でも流行しているようです。

小学生の父親「きょうから1年生が学級閉鎖になると聞いている」
熊本県によりますと10月30日から11月5日に、県内80の定点医療機関で感染が確認されたのは“1558人”と3週連続で増加しています。
新型コロナウイルスが流行する前は、冬場を中心に流行していたインフルエンザですが、今年は状況が異なります。
おがた小児科内科医院 緒方健一院長「今年の特徴は、夏前からかなりインフルエンザが出ていて2009年のころと、流行の仕方が似ている」

2009年のインフルエンザ世界的大流行
2009年は、当時新型だったインフルエンザH1N1(エイチ・ワン・エヌ・ワン)が世界的に大流行した年。
県内では当時34万人が発症し、その内5人が死亡しました。

2009年、発生状況が「注意報レベル」に達したのは10月でした。
今年は、その大流行時より1か月早く、9月に「注意報レベル」になり大規模流行が懸念されています。
緒方医師によりますと、流行の理由は新型コロナとも関連があるとみられています。

緒方院長「コロナの時期はほとんど(インフルエンザの)流行がなかったので、免疫がない状態」
感染症学会が「今までに例を見ない状況」と警戒を呼びかける今年、予防接種とともに、手洗い・うがいなどの基本的な対策が重要となりそうです。

患者数の推移と流行するウイルスの特徴
こちらは1医療機関あたりの感染者の報告数です。横のラインは注意報ラインです。

7月8月の夏場にも感染者が確認されていて、9月に注意報レベルを超えました。
これは県が統計をとりはじめた2006年以降、最も早いタイミングです。
秋ごろに予防接種して冬に備えるという、これまでの対応では感染を防ぎきれません。

また緒方医師によりますと、今年の夏場に流行したウイルスと今のウイルスのタイプが違うので、2度感染する恐れもあるということです。