東京電力・福島第一原発の処理水の海洋放出を巡り、日本産の水産物の輸入を中国が禁止したことを受け熊本県内の漁業関係者にも影響が出ています。

中国政府が日本の水産物輸入を全面的に停止したことで輸出減少は避けられない状況です。

去年、熊本県の水産物の輸出額は27億7000万円でブリ・マダイ・シマアジを中心に輸出しています。

そのうちおよそ1割にあたる2億4000万円が中国への輸出となっていて、中国への輸出は年々増加傾向にありました。そのような中、熊本県内ではすでに影響が出ています。

熊本県によりますと7月、中国が日本からの全ての水産物に対して放射線量を調べる検査を実施するなど輸入の規制を強化し始めたため、中国向けに輸出をしている熊本県内の養殖業者は「魚の鮮度が保てない」などを理由に中国・香港向けの輸出を停止しているということです。

こちらの水産加工場では冷凍したハマチのフィレ(3枚おろし)を各国に輸出していてその1割が中国向けだといいます。

海神貿易 山﨑重信 取締役九州営業本部本部長「今回風評被害で出されないと言う事で困っています。10%と言っても全体的には少ないように見えますが、かなりの金額になり生産者に迷惑かかるんじゃないかなと思っています」

急遽、出荷先を探し在庫が残る事は避けられたと言うことですが

山﨑 取締役九州営業本部本部長「梱包と言って(出荷先が変わるため)資材を一から十までやり直さないといけないと言う事で困っています。中国向けに仕立てた資材とかそれを返品することも出来ない、1年経ったらその資材は使えなくなるのが現状です」

水産物の輸出拡大をめざす熊本にとっても逆風が吹いています。