熊本市民病院が帝王切開で出産すべき妊婦に対し、その判断ができなかったため、生まれた子どもに重度の障害が残っていたことが明らかになりました。

熊本市民病院によりますと2020年6月当時、熊本市民病院に入院していた妊婦の胎児に重大な容体変化が生じ、本来であれば帝王切開で出産すべきところ、医師の判断が約1時間遅れ帝王切開ができなかったということです。

帝王切開を見送り、経過観察している間に心音が確認できなくなり、生まれた子どもに重度の障害が残りました。

熊本市民病院によりますと経過観察中、胎児の心音が確認できなくなったほか、分娩が急速に進み、重症新生児仮死状態で娩出されたということです。

帝王切開の判断が遅れた原因について医師は、分娩監視モニターに表示される波形を正確に評価できず、上級医と十分な情報共有ができていなかったためとしています。

この問題を巡っては去年9月、第三者機関が検証し即座に帝王切開をしなかった熊本市民病院の対応は一般的ではなかったと結論付けました。

ただ、熊本市民病院は、判断が遅れたことと、子どもに重度の障害が残ったことの
因果関係についてはコメントを差し控えるとしています。

熊本市民病院は子どもに対し、1億5000万円の損害賠償を支払う方針です。