熊本市の慈恵病院が運営する親が育てられない子どもを匿名でも預かる「こうのとりのゆりかご」。かつて「こうのとりのゆりかご」に預けられた宮津航一(みやつ こういち)さん(19)が東京の議員会館に姿を見せました。

自身のルーツを知る権利、いわゆる「出自を知る権利」について意見を述べてほしいと超党派で構成された国会議員の集まりに招かれたものです。

後生川凜 アナウンサー「2つの議員連盟による合同会議が始まりました」

宮津さんは、小学校低学年まで自分の出自が分からなかったとした上で、子どもがどのような情報を求めているかについて自らの考えを伝えました。

宮津さん「まずは自分のことについて子どもは知りたいのではないか」

ゆりかごに預けられた経緯や状況ではなく、名前や誕生日、生まれた時はどんな様子だったのかなど、自分自身についての情報がなによりも知りたいと訴えました。

そして「真実の告知」については。

宮津さん「伝えていくことも一つの『出自を知る権利』に繋がるのかなと。『出自』が分からないということも、子どもたちにとっては『出自』。アイデンティティです」

このように述べたたうえで「出自を知る権利」を守っていくためには、国が主導的にその権利を保障していかなければならないとしました。

野田聖子 衆議院議員「どこでどういう形で産まれてもみんな一緒なんだと、自己肯定があるんだと、共通認識になるまではまだまだ。宮津さんには苦労かけるけど頑張っていかないといけないなと思いました」

出席した議員たちは今後各党で「出自を知る権利」の法整備について議論するとしました。

後生川 アナウンサー「航一さんの意見を聞いて深くうなずいていた国会議員たち。これから国会でどのような議論が進んでいくのでしょうか」