ご飯にかける「ふりかけ」の元祖って熊本の老舗食品メーカーが生んだってご存じでしたか?
その会社が「ふりかけだけではない」新たな商品開発に挑みました。

1913年創業。熊本県民のソウルフードとも言える「御飯の友」は、ふりかけの元祖と言われ、今や全国でも販売しているフタバの人気商品です。
そんな老舗の企業が新たに取り組んだ新商品がハーブを使ったスパイス、「ヒノマル ハーブソルト」です。

開発のきっかけとなったのが以前、熊本市内で営業していたイタリアンレストラン「三年坂モリコーネ」のチキンソテー。

その味を知る当時の店長、HINOMARU&LIBCAFEの米満大さん はこう証言します。
「元々スパイスはイタリアンのシェフが作ったもので、お肉の臭みを消し、より味を引き立てるスパイス。すごく美味しかったですよ」
現在、お店は移転しカフェとしてリニューアルオープンしましたが、香り高いスパイスを使ったチキンソテーはメニューから消えました。

しかし!
「スパイスを商品化しないのはもったいない」という声が上がり、イタリアンのシェフが残したレシピを元に、カフェを運営する企業がその調合をフタバに依頼したのです。
フタバの山田健太郎さん曰く「スパイスというジャンルに関しては(会社の取り組みとして)初めて」だそうで。

ローズマリー・タイム・オレガノ3種類のハーブを使って出来上がったスパイスはいい香りを漂わせていました。
ローズマリーはキリッとした香りが特徴。オレガノは清涼感のある強い香りがあり。爽やかな香りにほろ苦さを持つのがタイム。いずれも肉との相性は抜群と言われているハーブです。

フタバ 山田さん「ふりかけで言うとご飯にかけた時の味に合わせるが、ハーブスパイスに関してはご飯以外の素材にかけてどういう味になるかが非常に難関で、一方だけ香りが強くなってバランスが悪くならないよう、配合のバランスに注意しながら作っていきました」
開発期間は1年。試作を繰り返しさまざまな料理で試食。やっと納得のいく香りと味に仕上がりました。

ーーどういう香りですか?
山田さん「素敵な香りですかね…今のなしにしてもらっていいですか?笑」
このスパイスの味付けは岩塩と胡椒のみ。食材にかけたとき、素材の味を引き立てる調合なんだそうで、「苦味」も特徴のひとつとなっています。
当時の味を知る店長に当時と同じチキンソテーを作ってもらいました。

その味は…
米満さん「当時の味が再現できていると思います。スパイスの香りがしっかりして。あんまり味が強くない食材に合うと思う。鶏肉・豚肉、白身魚、あとはフライドポテトにかけても美味しいんじゃないかと思います」
そしてスパイスの販売戦略について、製造は経験豊かなフタバが受け持ち、販路拡大にはスパイスの調合を依頼したカフェの運営会社が担います。
米満さん「以前、百貨店の食品部にいましたが、やはり売り先を見つけるのにメーカーは1番困っている。商品を買ってお客様に提供する側だったので、バイヤーの視点が分かりますので、話しを通しやすいかなと思います」
早速販売先も決まりました。

販売先のスーパー マルエイの友口龍生さん「非常に風味豊かで、お肉から魚料理まで幅広くお使いいただけると思っています」
老舗の製造ノウハウとシェフが残した思い出のレシピ。それぞれの思いと挑戦する姿勢が新たなスパイスを生み出しました。
フタバ 山田さん「新たな挑戦ということで、ふりかけ以外にも新しい柱になるような商品がどんどんできていけばと思っています」