もうすぐお盆。熊本ではこの時期、国道3号沿いに「精霊市(しょうろういち)」と呼ばれる露店が立ち、精霊船などお盆用品を売っていました。映像は1964年(昭和39年)7月の長六橋そばの様子です。当時のニュースはこう伝えています。

「熊本市の長六橋際では、すっかり名物となった精霊市が開かれており、麦わらで作った精霊船や仏さまに供える柿、栗、サツマイモなどの初物が所狭しと並べられていました。この市は熊本市近郊の農家の人たちが副業として毎年盆と暮れにやってきて開いているもので、お花や精霊船を求めていく人たちで賑わっていました」

国道3号の路肩に車を停めて買い物とは、自動車の数が少なかった時代なればこその風景ですね。。精霊市は場所を移しながらその後も長く続けられましたが、自動車の通行量が増す一方、店の数は次第に減っていきました。1974年(昭和49年)のニュースでは「20軒程のテント張りの店が並び」、1986年(昭和61年)には「4軒の業者がテントを並べ」と伝えています。

1974年7月放送のニュースから
1986年7月放送のニュースから

そして、RKKが最後に精霊市を取材したのは2002年(平成14年)、銀座橋際での様子です。出店したお店は1軒だけになっていました。

「きょうは、お盆の入りです。今年も、熊本市の国道沿いに精霊船の露店が店開きしています。店には手づくりの大小さまざまの精霊船が並んでいます。精霊船は、麦わらとベニヤ板で作られており、金・銀のモールで飾られています。

値段は3,000円から3万円までで、特に5千円前後に人気があるということです。又、お供え物のまつの実や栗、それに、迎え火、送り火の灯りを点す時に使うという麻の木なども販売されています。きょうも朝早くから多くの人が車で乗り付け買い求めていました」