熊本市の中心部、上通から新市街まで連なるアーケード街は、全国でも有数の道幅と長さ、そしてオーニング(天蓋)の高さで知られています。常に多くの歩行者で賑わうアーケード街ですが、ここを普通に自動車が走っていたとは、今ではあまり想像できません。映像は1969年(昭和44年)2月、下通一番街にオーニングを建設する工事の様子です。当時のニュースはこう伝えています。

「熊本市下通一番街のオーニング建設工事がきょうから本格的にはじまりました。下通の真ん中にパワーシャベルが出動し車道のコンクリート舗装を鉄の爪で剥ぎ取っており、大洋デパート(現在COCOSAがある場所)の角から手取本町市電通りまでの160メートルは、今日から車の通行が全面禁止となっています。

この工事は下通を全面オーニングで覆い、道路はカラー舗装の歩道として車の通行を全面禁止とし、自由に買物が出来る中心商店街にしようというもので、5月はじめには上通に続いて県下で2番目のオーニング街が完成する見通しです」

そして3ヶ月後、オーニングが完成し落成式が行われました。このとき完成したのは、電車通り側入口から三年坂通りまでの区間です。映像の後半はその落成式の様子です。

「きょう熊本市下通一番街の全面アーケードの落成式が行なわれ、「下通センター新天街」と名付けられ新しい名所が誕生しました。午前11時にバトンガール11人を先頭に自衛隊8師団音楽隊が新市街から下通まで行進し、新天街オープンに花を添えました。

落成式には県・市・地元関係者らおよそ100人が出席し、神事の後、入口にはられたテープにハサミをいれ、通り初めを行ってオープンを祝いました。この全面アーケードは、下通一番街が去る1月から建設を進めていたもので、長さは160メートル、幅15メートルで、歩道は全面カラー舗装、屋根にはシャンデリアが輝き、以前の青天井に比べると見違えるようになっています」

このあと下通は急ピッチでアーケード化を進め、2年後の1971年(昭和46年)1月には、4番街までのオーニング化と歩行者天国化が完了しました。