ハンセン病患者とされた男性が、隔離先の「特別法廷」で死刑判決を受けて執行されたいわゆる「菊池事件」で、支援者たちが再審(裁判のやり直し)の開始を求める署名を熊本地裁に提出しました。

菊池事件は、1952年、ハンセン病患者とされた男性が役所の職員を殺害したとして、隔離先の「特別法廷」で死刑判決を受け、その10年後に執行されたものです。

この特別法廷が事実上非公開だったことなどから、熊本地裁は2020年に「憲法違反」としたものの、死刑判決自体には影響しないと判断していました。

その後、男性の遺族が無実を主張して再審を請求し、地裁は今年7月、再審請求の可否について全ての手続きを終え、来年1月末までに再審を行うかどうか判断するとしています。

弁護団や支援者たちはこれまで、再審開始を求める6万人分ほどの署名を集めていて、今日(10月17日)はさらに約1000人分を熊本地裁に提出しました。

熊本地裁が再審開始を認めれば、死刑が執行された事件として全国で初めてとなります。