熊本地震で被災し、違う場所で生活する人も多くいます。9年経った今、地域のコミュニティーはどうなっているのか、その変化と課題です。

熊本県益城町にある災害公営住宅。その集会所で昼食会が開かれました。

中心となって参加を呼びかけたのが、災害公営住宅に1人で住む78歳の九郎丸(くろうまる)アサ子さんです。

災害公営住宅で生活する九郎丸アサ子さん(78)「こんな集まりをするのは、おととし以来よね」

九郎丸アサ子さん(左)

5年前に災害公営住宅へ入居した九郎丸さん。益城町の自宅が全壊し、熊本地震を受け開設された中では最大の「テクノ仮設団地」に身を寄せていました。

仮設住宅は決して広いとは言えず、不便さはありながらも、九郎丸さんは、同じ被災者がすぐに集まって交流できることにある種の心地良さを感じていました。

九郎丸アサ子さん(78)「狭かったけど良かったです。友達ができた」

仮設団地から災害公営住宅へ移ってからも、仮設団地で共に過ごした仲間との交流が続いています。ただ、災害公営住宅に住む人の高齢化が進んでいて、益城町によりますと、その半数以上が65歳以上の高齢者です。

九郎丸さん自身も体調に不安があります。

九郎丸アサ子さん(78)「集まりを年に1回か2回したいけど、私が元気じゃないから」