熊本市の自転車条例が10月に改正され、いくつか変わることがあります。大きく変わるのは、ヘルメットの着用が努力義務になることです。

熊本市内のヘルメット事情を調査すると、さまざまな課題が見えてきました。

後生川 凛 アナウンサー
「熊本市で10月から自転車のヘルメット着用が努力義務になるということで、自転車店ではヘルメットの売り上げはどうなのでしょうか」

熊本市北区の自転車店には、さまざまな色や形のヘルメットがずらり。ベーシックなスポーツタイプやマットな質感のカジュアルタイプなど、30種類ほど品揃えがあります。

サイクルベースあさひ 北熊本店  田口 真也 店長
「今度から義務になるって聞いてということで、見に来られる方も多くいらっしゃいます。先月に比べて 2倍くらいの売り上げ」

8月から仕入れを 2倍に増やして、努力義務化による需要の高まりに備えています。

一方、実際に街中を見てみると…

ヘルメット未着用(高校生)
「かぶらないです」
「デザイン性が…」
「ダサいから」

ヘルメット未着用(10代)
「見た目と、お金がかかる」

ヘルメット未着用(30代)
「なんか蒸れちゃうかなぁって」
「どこで買えばいいんだろう?」

ヘルメット未着用(60代)
「ヘルメットってけっこう高いのでね」
「まぁそう(努力義務化)なったらやめます、自転車」

ほとんどの人がヘルメットを着用しておらず、熊本市の調査によると市内でのヘルメット着用率は3%未満。今後『努力義務化』して着用率は上がるのか。
これには市議会でもさまざまな意見が。

熊本自民 落水 清弘 議員
「かっこいいスポーツヘルメット、シュパッとなってるやつがあるじゃないですか。これをプレゼントするなんてのもいいんじゃないですか、先着100人とか」

市民連合 村上 博 議員
「今話題の村上宗隆選手あたりを招いてサインをして…というような形で、局長いかがですかね?」

後生川 アナウンサー
「さらに、今後課題となりそうなのが、シェアサイクルでのヘルメット着用です」

シェアサイクルはいつでもどこでも自由に乗り降りできるからこそ、ヘルメットを持ち歩くのは現実的ではありません。
とはいえ、ヘルメットもシェアするのは…

熊本市 自転車利用推進課 酒井 伸二 課長
誰がかぶったか分からないヘルメットをかぶるというのは抵抗があるという意見が出ていて。短時間利用の方に対してヘルメットをどう被っていただくかというのは、非常に大きな難しい課題」

市は、シェアサイクルでのヘルメット着用は今後の課題としつつ、まずは通勤通学などで日常的に自転車を利用する人から着用を推進していきたいとしています。

酒井 課長
「ぜひ、まずはヘルメットを見に行って手に取っていただく、そういったところから始めていただければと思っています」