熊本県益城町で被災した店が軒を連ねた仮設商店街が、きょう(31日)7年続いた営業をひっそりと終えました。
県道沿いのスーパーの隣にある「いくばい益城 笑店街」。

ここで学生カバンから模型まで幅広く販売する小嶺隆(こみね たかし)さんです。
戸島屋 小嶺隆さん(72)「これで最後です。きょうにも片付けが終わってしまうから。寂しいですね」
小嶺さんは熊本地震で店を失い、地震の翌年(2017年)からこの仮設商店街で営業していました。

それから7年。
商店街の土地が区画整理事業の対象となっていることなどを理由に、町は小嶺さんを始め、残った各店舗にきょうまでに退去するよう求めていました。

小嶺さん「地震があってお先真っ暗になっている時に、ここを役場から紹介してもらった。本当によかったですよ。今まで続けられて」
小嶺さんは今後、自宅で店を続けると前を向いています。
いまだに再建の途中
同じく、仮設商店街で最後まで食堂の営業を続けた岩崎すえみさん(69)です。

きやま食堂 岩崎すえみさん「(仮設商店街での時間は)長かった。でも、あっと言う間に終わった」
岩崎さんは、仮設商店街を出て新たな店を建てるつもりでしたが、その予定地が「区画整理事業」の対象になったため、県と町が準備した別の仮設店舗で営業することにしました。

岩崎さんは、いまだに再建の途中です。
ーー再建できたと思う時は?
岩崎さん「自分で仮設から出て、自分の店舗ができた時でしょうね」

地震後の益城町を盛り上げた仮設商店街。ひっそりと営業を終えました。