◆伝説の映画『竜二』
福岡市出身の川島透監督の作品で“伝説の映画”と言われた『竜二』(1983年・93分)が初公開から40年を記念して今、全国で上映されています。中洲大洋劇場(福岡市)で1月20日に観てきました。
東京・新宿が舞台で、ヤクザ者の竜二ら若者の青春群像劇。主演の金子正次さんが、原作・脚本も手がけ、自分たちでお金を集めて何とか作った、35ミリの本格的映画です。その年の映画賞を総なめにしますが、劇場公開されて1週間後に金子さんはがんで亡くなってしまいます。伝説の役者が作った、伝説の映画です。
ヤクザ映画と言えば、様式美にあふれた「任侠」映画が高倉健さん。その後は『仁義なき戦い』から「実録」ものがヒットして、派手な銃撃戦が展開されました。しかしこの『竜二』は全然違って、突っ張っている若者がヤクザをやめようする等身大の姿が映されています。その背景がすべて昭和の映像なんです。期せずして、この映画はその時代をきっちり描き撮っている。「時代」が一つの主人公になっている映画だと思いました。
◆「伝説」となった金子正次という役者
金子正次さんは1949年、瀬戸内海に浮かぶ愛媛県松山市の津和地島の生まれ。高校を2年で中退して上京、ディスコの呼び込みをしました。近いところに暴力団もいっぱいいた世界です。そこから演劇に飛び込んで、映画もやろうとなるんですが、周りには松田優作さん、ショーケンこと萩原健一さんなどいろいろな人がいました。当時の金子さんのインタビューが、パンフレットに載っていました。
金子:まだディスコのはしりの頃で、キャロルの矢沢(永吉)なんかと走り回ってたんだから。そこいらとおる女の子の呼び込みで。あの辺のバンドはみんな俺が仕切ってやってたからね。何年位前になるのか。とにかくショーケンが、体くねらせて唄ってたんだから(笑)。







