福岡県朝倉市の原鶴温泉街にある老舗旅館は、7月の大雨で浸水被害を受け、休業を余儀なくされています。浸水被害は、この12年間で実に4回目。頭を抱えながらも、営業再開に向けて懸命な努力を続けています。

◆旅館の1階が浸水 一部の大浴場も使用不可に

豪雨で浸水した建物内=泰泉閣提供

泰泉閣 林里美・社長室長「7月10日は、この辺まで水が来ていたんですよ。(被害の)範囲が広すぎて、どこから手をつけようという感じだったんですけど、今は割と落ち着きました」

福岡県朝倉市の原鶴温泉にある、創業70年超の老舗旅館「泰泉閣」です。7月10日の大雨で1階部分が浸水し、厨房や宴会場のほか、一部の大浴場などが使えなくなってしまいました。

泰泉閣 林里美・社長室長「自家発電所が水に浸かり、電気が全部つかなくて、水も出ない、という状況が3日くらい続いて、何も作業ができなかった。今も仮のもので復旧させている状況です」

◆予想以上の被害…営業再開を8月10日に延期

夏休みシーズンの「かき入れ時」に、やむなく休業。当初は8月1日に営業を再開する予定でしたが、電気系統などの被害が想像以上にひどく、再開を8月10日に延期しました。しかも、いきなり全面営業とはいきません。

RKB町田有平「庭園を望む人気の『離れ』の特別室ですが、中をのぞいてみると、床板が全てはがされてしまっています。障子には今も、水の跡が生々しく残されたままです」



1階部分に3室あった「離れ」の客室も浸水しました。床板を張り直すなど復旧工事を進めていますが、8月10日の営業再開には間に合いません。

泰泉閣 林里美・社長室長「お盆も予約をいただいていたんですけど、ちょっとお盆までには間に合わないだろうと、お客様お1人にお断りの連絡をしているところです」