「違憲と言い切って欲しかったところはありますが、一歩前進していると感じて今は安心しています。一刻も早い検討・議論を国会の場で進めていただきたいと強く思います」同性婚の実現を求めて国と戦う原告のまさひろさん(男性パートナーと事実婚)は、力を込めた。虹色の旗をかかげた原告団が8日午前、福岡地裁に入った後、裁判長から“違憲状態”ではあるものの違憲ではないとの判断が示された。国に対する損害賠償の請求も退けられた。判決には「婚姻の価値観が変遷しつつあるとは言い得るものの、社会的承認が得られているとまでは認めがたいところがある」との記載がある。家族のあり方、実際の家族の形、性的指向の受け止め方は時代によって変わり、人それぞれの部分も大きい。判決全体を俯瞰すると同性婚は「時期尚早」ということになるが、随所に「世論」の変化を切り取った描写が存在する。弁護団はそれを裁判所が社会に投げかけた “強いメッセージ”だと受け止めている。
◆男女3人の「裁判体」が感じ取った“世論”

そもそも、この裁判は婚姻届が受理されなかった福岡などに住む同性カップルが、民法と戸籍法の規定が「憲法違反だ」と主張し、国に慰謝料などを求めたものだ。全国5地裁で同様の訴えが起こされ、福岡地裁の8日の“違憲状態”で「違憲」が2件、「違憲状態」が2件、「合憲」が1件と地裁レベルの判決が出そろったことになる。
判決を受け原告の同性カップル3組は「違憲状態」との判断に安堵しながらも「違憲と言いきって欲しかった」などと悔しさもにじませた。
原告・こうすけさん(33)「今回の違憲(状態)判決、大変力強く味方になってくれているなと感じる。一方でもっともっと強くメッセージを送って国会が議論しなければいけないとわかるようにして欲しかった」
判決そのものは「棄却」だった。つまり、民法や戸籍法の規定はすべて憲法に反しないと判断され、原告の訴えは“ご指摘に当たらず”と判断された形だ。一方、そのような判断に至った裁判所の“思考過程“も論理的に記された。そこから裁判所が感じている同性婚を取り巻く多数の“課題”も明らかになった。裁判長の男性と男性裁判官、女性裁判官の3人で構成された、福岡地裁の“裁判体”の目に同性婚はどのように映ったのだろうか―。







