値上げの波は、親元を離れて福岡で暮らす学生たちの生活にも押し寄せています。


◆新歓の季節も「値上げの波」に
4月1日に入学式を開き、多くの新入生を迎えた福岡大学。キャンパスでは4日、部活動への勧誘が行われ、新入生たちは、れから始まる学生生活への期待をにじませていました。その一方で、親元を離れて暮らす学生たちを悩ませるのが、押し寄せてくる「値上げの波」です。

「バイトの給料がめっちゃ安いのに、物が高いのがいやです」
「お財布の中が、気付いたらさびしいことになっていたり、売り場の奥の方見て2~3円でも安かったら、それを選ぶようにしている」
「部活終わりに後輩とご飯食べに行ったりするんですけど、よく行っているお店が全商品値上がりしてちょっと苦しいなと。割り勘で、と言うかも」「基本的に奢っているけど割り勘でとかなるかもしれない」
「自炊が大変なときとかコンビニ使うときもあるんですけど、コンビニも高かったりして食費もかさむし、大変」
「自分の稼いでるお金だけじゃ食費を賄えなくて、親に頼ってる」
「勉強道具をすごく使うから、値上がりすると大学で過ごす中で使うので、そこは値上がりして欲しくない」


◆せっかく節約して寮に入っているのに
RKB若松康志「物価高の波は、学生たちが住む寮にも押し寄せています」

福岡大学から自転車で10分ほどの距離にある学生寮。大学が、周辺にある民間の下宿のうち一定の生活環境が整った施設を認定し、共通のルールで運営する「指定寮」の1つです。現在は男子学生29人が暮らし、朝と夜には食堂で食事も提供されています。

Q.おいしい?
「おいしいです、毎日食べてます」「すごい助かってますね、家に帰った時に料理する手間が省けるので」

寮の食事は3月まで、朝食と夕食を合わせて1日あたり820円で提供されていましたが、4月から一気に80円値上がりして、900円になりました。

高瀬英雄寮主「食材の野菜類、調味料も、全部上がりましたからね」

値上げは食材だけでなく、寮生たちが均等に負担する光熱費にも及んでいます。

高瀬英雄寮主「高くなってますよ、ここ寮全体の(電気代の)請求が来ますから、人数分で割っていったら、去年は1キロ(Kwh)当たり5円か6円高くなってますよ。だから節約するように苦労してますよね」


◆食生活に気を遣いながら
寮で暮らす3年生の本山真之介さんです。広さ6畳のワンルームは、トイレと風呂が共同で、食事代や光熱費などを除いた1か月あたりの家賃は2万5000円。陸上部に所属しているため、食生活に気を遣っています。

本山真之介さん「食生活が偏ったりとかしないように、ちゃんとした栄養がとれるように、寮を選びました」

寮の食堂で出る食事の費用は親が負担していますが、休日や長期休暇には提供されないため、自分で食材を購入して部屋で食べることもあるといいます。

本山真之介さん「スーパーに食材を買いに行ったら値上がりしてたり。もうちょっと食材が安ければいいなとか思ったりしますね。いろいろ他のところで使える金額の幅が広がってくるので」


◆仕送りの宅配料金も値上げ
さらに、学生が実家から仕送りをしてもらう時に使う宅配便の料金も、佐川急便で平均8%、ヤマト運輸も平均10%引き上げられました。生活のあらゆる場面で、価格が塗り替えられていく「値上げの春」。勉強や部活動に力を入れる一方で、日々の暮らしのやりくりにも努力と工夫が求められています。