福岡市の新年度予算では「子育て支援」が大きな柱となっています。物価高騰が続き家計への負担が増す中、安心して子供を産み育てられる環境づくりに取り組みます。

◆「子育て支援」テーマに掲げた福岡市

高島宗一郎市長「今回の予算、テーマは『子育て応援予算』といたしました。特に多子世帯、サポートを必要する子供たちへの支援を拡充しています」

福岡市の高島市長が新年度予算のテーマとして掲げた「子育て支援」。政令市としては初めて、第2子以降の保育料を、きょうだいの年齢や収入に関係なく、全ての世帯で無償化します(事業費23億3516万円)。

また、乳幼児に欠かせない「おむつ」を無償で宅配する事業も新たに始めます。0~2歳の子供を育てる保護者を対象に、市の子育てサービスを利用すると毎月2000円相当のおむつや肌着などの定期便を受け取ることができます。利用していない人に市が連絡を取ることで、子供の虐待や子育て中の親の孤立を防ぐねらいもあります。

保護者「そういうのがあると、うれしい」「無認可でも無料になるんだったら、選択の幅は広がる」「だいぶ助かります。毎月になると高いかなって。おむつはすぐ減るので助かる」

◆“産後ヘルパー”妊娠期から利用可能に

福岡市内に住む堀田未歩さん。3月1日に生まれたばかりの琴心(ここ)ちゃんと3歳の長女、2人の育児に追われる毎日です。この日、自宅にやって来たのは、福岡市が委託業者を通じて派遣している産後ヘルパーです。日中、家族から支援が受けられない人を対象に、掃除やミルク作り、沐浴の介助など、家事や育児を手伝ってもらうサービスです。


これまでは「生後6か月未満」の赤ちゃんがいる人が対象でしたが、2023年度からは「妊娠期から生後1年未満」まで利用できるようになります。また、1回あたり2100円だった利用料を500円まで引き下げ、第2子以降は利用できる回数が40回に増えます(これまでは20回)。

堀田未歩さん「できないことがたくさんある中で、誰かが手伝ってくれるありがたさをすごく感じます。40回ならけっこう使えるな、しかも1回500円かと思うと、気持ちは楽に。いろいろなことに使えそうだなという気が」

堀田さんは週に1回、短時間で仕事を続けています。物価高で家計の負担が増す中、第2子以降の保育料の無償化も大きいと感じています。

堀田未歩さん「週1回、ほんと2時間くらいしか仕事ができない中で、第2子の割引がかかってきていて、経済的な負担がかなり軽くなるのと、誰かに頼れる制度がたくさんあるというのは、すごく大きなメリットが」