「夜眠らない子供」とは異なる「夜眠れない子供」との出会い
2000年、今から25年前、水谷さんは福岡で全く新しい問題を抱える子供たちの存在に気づいた。
女子校で講演を終えた後、一人の女子生徒が校長室を訪ねてきた。
髪の毛は黒く、眉毛は太く、すっぴん、ボタンは上まで、スカートは膝まで。
水谷さんが関わる「夜眠らない子」とは全く違う外見だった。
校長が席を外すと、女子生徒は泣き始めた。
水谷修さん(夜回り先生)
「『助けて』と言って腕をまくってきました。無数のカミソリで切った跡、リストカットでした。『痛かったな。でもごめんな。先生が生きあってきたのは夜の世界でやんちゃやる元気のいい『夜眠らない子供たち』。根性焼きってタバコの火を押し付けたり、組筋入ってエンコ詰め、指詰めたり、墨彫ってやる奴は腐るほどいる。でも、リストカットはお前が初めて。先生、お前のために何ができるかちっともわからん。やめたいのかい?』『うん』『じゃあ、先生、勉強してみる。一緒に生きてみるか』」
水谷さんはこの問題に取り組み、愕然とした。







