1978年8月12日午後7時すぎ 忌まわしく忘れられぬ日
1978年8月12日土曜日。
思い出すのも忌まわしい、しかし決して忘れることのできない日だ。
当時、佐渡総合病院附属准看護学院の寮に住んでいた曽我さんは、週末には必ず実家に帰っていた。
その日も母と夕食を共にし、明日のお盆に備えて赤飯の準備をしていた。
午後7時すぎ、足りないものがあることに気づき、母と2人で近所の雑貨屋へ買い物に出た。
家から400~500メートルほどの距離だ。
曽我ひとみさん
「買い物をして店を出て他愛もない世間話をしながら歩いていたのですが、後ろの方から人の足音がしてきました。特に私たちを抜き去るほどのスピードではなかったのですが、間隔が徐々に縮んでいる気配を感じました」
母と振り向くと、3人の男が歩いている。
「何だろうね。ちょっと気味が悪いな」と話しながら歩いていたが、特に警戒することもなかった。
家まであと100メートル足らずというところで、男性3人が足早に駆け寄り、襲いかかってきた。
抵抗する間もなく口を塞がれ、手足を縛られ、袋のようなものをかぶされて担がれた。
川まで連れて行かれた。
当時の川には河川敷もなく、どの家も裏から川に抜けることができた。







