外国人選手主体の異色のチームとして、プロ野球の独立リーグに所属する佐賀アジアドリームズ。去年は公式戦で1勝もあげられなかったチームが、2年目のシーズンでついに初勝利をあげました。

「野球発展途上国」での普及を目的に始動も・・・16戦16敗と壁に直面

2024年、野球の独立リーグ九州アジアリーグに参入した佐賀インドネシアドリームズ。野球が盛んではない国で競技の普及を目的に誕生したチームは、インドネシアを中心に6か国の選手が所属。

元プロ野球選手で福岡県出身の香月良仁さんがチームを率い、言語や文化の壁を越えて懸命に戦いました。

しかし、結果は16戦16敗。公式戦で1勝もできませんでした。

飛躍を誓う今シーズンは、パキスタンなど合わせて9か国の選手たちで構成。チーム名も「佐賀アジアドリームズ」に変更してまずは1勝を狙います。

インドネシア出身・リズキー選手
「去年1勝もできなかったので今年まず1勝を目指します」

新加入の注目メンバーはパキスタン出身のムシャラフ選手。2mを超える長身から投げ下ろす140キロ超えの速球が武器の本格派。大きな夢も持っています。

パキスタン出身・ムシャラフ選手
「私の夢は日本に行っていいチームでプレーし、アメリカのメジャーリーグなど大きなリーグでプレーすることです」

カンボジアから日本に来た2人の選手たちは、母国の厳しい環境の中でもなんとか野球を続けてきました。

香月良仁監督
「家庭的にも貧しくて野球を続けたいけど続けられないというなかで、生活もできないというなかで野球をやってきてこういうチャンスが生まれたのでそういう子たちの希望になってくれればなと思いますよね」

カンボジア出身・ネトラ選手
「私が日本に来たのはプロとしてプレーするためなので、初めての試合でいい結果を残したいと思います」

選手たちは競技を普及させるだけでなく、プロ野球選手として手にした報酬で故郷にいる身内を支えるという使命も背負っています。

開幕した2年目のシーズンは打撃戦が続く

迎えた宮崎サンシャインズとの開幕3連戦の初戦。序盤から大量リードを許すものの、打線が終盤に反撃。

しかし、10対14で敗れ、開幕戦勝利とはなりませんでした。

翌日の第2戦は8対10の2点差で最終回。

先頭打者のベネズエラ出身・ホセがレフトへ特大のホームランを放ち1点差に詰め寄ります。

その後、ツーアウト2塁と同点のチャンスでリズキーに打席がまわりますが、結果はサードゴロで試合終了。

あと1点が遠く、勝利に手が届きそうで届かないもどかしさが募ります。

それでも、香月監督はチームを鼓舞します。

香月良仁監督
「個人的には君たちの成長を見てすごく嬉しかったです。ただ、試合負けてるからね。いい試合することが目的じゃなくて勝たないと」