公開開始を1か月先送りに
今年7月、およそ4000キロ離れたミャンマーからやってきた4頭のアジアゾウ。

受け入れた福岡市動物園は、当初、10月の全面公開を目指していましたが、ゾウと飼育員の信頼関係構築を最優先して公開開始を1か月先送りしました。
公開までの4か月、ゾウをめぐっては、騒動や悲しい出来事もありました。
子ゾウが柵をすり抜けて脱走
8月には、子ゾウが柵をすり抜けて脱走。

高台で鼻を回しながら遊んでいますが、その真下を人が通り過ぎていきます。
少なくとも3回の脱走を繰り返していた子ゾウは、ワイヤーの隙間から脱走したといいます。

福岡市動物園・ゾウの飼育担当 白浜祥平さん
「ピンと張っているんですけどワイヤーの間がちょっと大きかったのか子ゾウがプロレスラーがリングインするような感じで出ていった」
目撃した人「あ!戻りよう!戻りよう」「人間みたいなことしているんだ」

子ゾウは、自ら柵の内側に戻り、来園者との接触という危険な事態を招くことはありませんでした。

子ゾウ脱走の原因となった柵の隙間は、現在、鎖でふさがれています。
12歳のメスゾウ死ぬ

9月には、12歳のメスゾウが死ぬという悲しい出来事もありました。
ゾウが死ぬという想定外の事態に直面しながら3頭のゾウとの信頼関係を築いてきた白浜さん。マフーと呼ばれるミャンマーの飼育員から今も引き継ぎを受けていますが公開までの4か月は苦労も多かったと話します。

福岡市動物園・ゾウの飼育担当 白浜祥平さん
「マフーが直接飼育をやっていましてゾウと同じ空間に入って飼育する方法をやっています。我々は準間接飼育といって檻の外からゾウに接してゾウをコントロールするような飼育をやっているけれどもその切り替えといいますか、かなり時間を要しました」
「坂を上る様子、日本で唯一だと思う」
環境の変化にも慣れた3頭のゾウ。
いよいよあす、全面公開の日を迎えます。
白濵さんが語る展示の目玉は、”坂を上るゾウ”です。

福岡市動物園・ゾウの飼育担当 白浜祥平さん
「ミャンマーでは山の中に暮らしているのでそういった坂を上る姿は山では普通なんですけど、それを見ることができる日本で唯一の動物園かなと思っているので、迫力とか頑張って上る姿を見て楽しんでいただけたらなと思います」