JR九州高速船が博多と韓国・釜山を結ぶ「クイーンビートル」の浸水を隠ぺいし、運航を続けていた問題。隠ぺいについて、運航に関わる全員が把握していたことが新たに明らかになりました。親会社のJR九州の古宮社長は22日、陳謝したうえで、運航事業をやめる考えはないと説明しました。

浸水隠し運航継続 博多~釜山で

JR九州 古宮洋二社長「安全を立て直して信頼回復に努めます。この度は申し訳ありませんでした」

JR九州の古宮社長は22日、定例会見の冒頭、陳謝しました。

クイーンビートルを巡っては、JR九州高速船が今年2月、船首部分に浸水を確認しながら国に報告しませんでした。さらに、航海日誌などには、浸水した場合も「異常なし」と記載する一方、浸水量に関しては裏で管理簿を作成していたほか、警報センサーが鳴らないように位置を上にずらすなどして3か月以上運航を続けていたことが明らかになっています。今年8月6日に国土交通省の抜き打ち監査で、隠蔽が発覚しました。

上層部「これくらいの浸水なら問題ない」

古宮社長はJR九州高速船に対するヒアリングで、上層部が「これくらいの浸水なら問題ない」と話していたことや、浸水量の改ざんなどについては運航に関わる全員が把握していたことも明らかにしました。裏管理簿の作成については16人が、警報センサーの位置をずらしたことは21人が知っていたということです。