3月、同居する妻を殺害したとして殺人の罪に問われている男の裁判員裁判が長崎地裁で始まり、男は起訴内容を認めました。

殺人の罪に問われているのは佐世保市の無職 前田敏臣被告75歳です。

起訴状などによりますと、前田被告はことし3月佐世保市世知原町の市営住宅の自宅で当時74歳の妻、英子さんの首を長さ約20センチの刺身包丁で突き刺し、殺害したとされています。

14日の裁判員裁判の初公判で前田被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。

裁判では量刑が争点となってます。

冒頭陳述で検察側は「英子さんに高血圧症などの持病があり、事件の5日ほど前から寝たきりの状態になったことや、前田被告自身も脳梗塞の疑いがあった」ことを指摘。
「今後の金銭的な不安を考えると妻を殺した方が楽になるのではと思い犯行を決意した」と主張しました。

一方、弁護側は「被告が認知機能の低下や適応障害から心身ともに追い詰められていた」ことや「妻の介護疲れで将来に絶望していた」ことなどを訴えました。

次回の裁判は今月18日に開かれます。