被爆81年となる8月9日の長崎原爆の日を前に、長崎市は31日、平和祈念式典で鈴木史朗市長が読み上げる「平和宣言」の骨子を公表しました。

被爆者らでつくる起草委員会での議論を経て作成されるもので、ことしはウクライナや中東情勢の悪化など、核軍縮に逆行する世界情勢を踏まえた内容となっています。

被爆者・吉田勝二さんの体験を通して核抑止論を批判

平和宣言では、13歳で長崎原爆を経験した被爆者の吉田勝二さんの体験をもとに、核抑止論への批判を盛り込みます。

吉田さんは、原爆で顔や身体にやけどを負い、その後は偏見や差別に苦しみながらも、自身の被爆体験を語り続け、世界平和を訴えてきました。

鈴木市長は、「吉田さんは『自らと同じような苦しみを二度と世界中の誰にも味わわせてはならない』という強い思いから、つらい体験を発信し続けてきた」と述べました。

そのうえで、「相手の立場や苦しみに心を寄せ、分かり合おうとする努力を続けることの大切さを世界に発信していきたい」と話しました。

核保有国や日本政府への要請も盛り込む

平和宣言ではこのほか、核保有国に対し、核不拡散に向けた義務を誠実に履行するよう求めるほか、日本政府に対しては、核兵器禁止条約への署名・批准や非核三原則の堅持などを求める内容が盛り込まれます。

宣言文は10か国語に翻訳され、8月9日の平和祈念式典で鈴木市長が読み上げたあと、長崎市のホームページで公開される予定です。