57年前に発覚した食中毒「カネミ油症」の調査・研究を続けている全国油症治療研究班は25日、被害者の子どもや孫の救済につながる「診断基準」改定の可能性について議論する「再評価委員会」の設置について、専門家を集め検討を進める考えを示しました。
再評価委員会とは?
「再評価委員会」はカネミ油症の「診断基準」を見直すために、全国油症治療研究班が設置するものです。
研究班は25日、患者が参加する油症対策委員会で、2021年から進めている次世代調査でこれまでに集まった知見をもとに、診断基準の見直しが可能かを検討する「再評価委員会」を設置するかについて、発生学などの専門家らを含めた有識者で議論を進める考えを示しました。

全国油症治療研究班 中原剛士班長:
「患者の気持ちはわかる。しかし研究班の立場としては科学的にしっかり検証していくということを変えるわけにはいかない。そこをしっかり取り組んでいく」
小さな‟一歩”
調査開始から4年、次世代救済に向けて示された‟小さな一歩”に被害者からは「具体的なものが一つ見えた」と評価する声の一方、「次世代も高齢化している。救済を決断して欲しい」など焦りやいら立ちの声もあがっています。

カネミ油症認定患者 下田順子さん:
「もう少し進むかと思った…。次世代調査が認定基準見直しにまでなかなかうまくいかない。本当に私たちは早く救済を願っている。諦めたくない」