奈良県平群町のメガソーラー建設工事をめぐり、大阪高裁が開発許可を取り消す判決を出したことについて、県は6日午後、判決を受け入れ上告しないことを明らかにしました。

奈良県の山下知事は6日午後1時に県庁で記者会見を開き、平群町のメガソーラー建設工事について開発許可を取り消すとした大阪高裁の判決を受け入れ、上告しないことを明らかにしました。

奈良県北西部に位置する人口約1万8000人の平群町。8割が山林の自然豊かな町に2020年、突如メガソーラーの建設計画が持ち上がりました。町の山林で進められているのが、約5万枚にも及ぶメガソーラーパネルの設置工事です。

周辺住民らは2021年、「下流の川が水を流せる能力を十分に考慮できておらず、開発で水害や土砂災害のおそれがある」などとして、県を相手取り、開発許可を取り消すよう提訴しました。

一審の奈良地裁は去年3月、「裁量権の範囲の逸脱や濫用は認められない」などとして住民側の訴えを退け、住民側が控訴。

二審の大阪高裁は今年6月18日、「県の基準は想定を上回る降雨量があれば、水害などの災害が発生するおそれがある。許可の判断は不合理で違法」などとして、県の開発許可を取り消す逆転判決を言い渡しました。

県が逆転敗訴した控訴審判決については、訴訟参加人の事業者側が7月2日、不服として最高裁に上告していました。

上告期限となった同月6日、山下知事は「高裁判決は一般人でも理解しやすい説得力ある判決だと判断ましたので、本県といたしましては上告はしないという結論に至った」と述べ、上告しないことを明らかにしました。

また、5年にわたって訴訟を続けてきた住民側については「大変困難な裁判を続けてこられたことに対しましては敬意を表したいと思います」と述べ、最高裁判決を待たずに許可の基準の見直しに着手することを明言しました。

前知事時代に出された開発許可についての評価を記者から問われると、「当時の判断としてやむを得ない面はあったのかもしれませんが、結果的に基準の合理性に疑問が差し挟まれる余地があったということだったと思います」と振り返りました。

一方、最高裁で判決が確定するまでは取り消しの効力が発生せず、工事が今も続いていることから、住民側は6月24日、直ちに工事を止めることを求めて大阪高裁に執行停止の申し立てを行っています。住民側によりますと、その2日後、梅雨前線と台風の影響による大雨で、工事現場の盛土が崩れる被害があったということです。