西郷隆盛の子・菊次郎や寅太郎らが写った新たな写真が見つかりました。

この写真は、1885年=明治18年にアメリカで撮影されたものです。右端に写るのが菊次郎。西郷隆盛の2人目の妻・愛加那との間に生まれた長男です。
明治10年の西南戦争に従軍した際、けがで右足を切断。義足生活となり、杖が写っています。のちに台湾の宜蘭支庁長や京都市長を務めました。

左端に座っている寅太郎は、3人目の妻で正妻とされる糸子との間に生まれた長男です。中央に立っているのは、隆盛のおいにあたる隆準です。北越戦争で戦死した隆盛の弟・吉二郎の長男で、写真が確認されたのは初めてです。

この写真は、菊次郎のひ孫にあたる諌山尚子さんが所有していたもので、提供を受けた京都の歴史研究家・原田良子さんが、文献や専門家に確認して発表しました。

原田さんによりますと、写真は明治18年・1885年に3人が訪れていたアメリカ・ワシントンで撮影されました。
菊次郎は当時20代半ばで、「菊次郎の青年期の姿は珍しく、隆準の写真は初めてとみられる」ということです。

(歴史研究家 原田良子さん)「明治10年の西南の役で、つらい思いをした西郷隆盛の子どもたちが、いろんな人たちの助けを得て渡米していることを物語る貴重な写真」

今後、写真を展示する予定はないということですが、所有者の諌山さんは「要望があれば展示して多くの人に見てほしい」と話しているということです。