ニューズナウでは「がんばる子ども」をシリーズで紹介しています。今回は、鹿児島のお菓子をPRしたいとプログラミングに取り組む小学5年生です。
真剣な表情でパソコンに向き合うのは金子蒼弥くん(10)。鹿児島大学附属小学校に通う5年生です。学校でプログラミングに取り組んだことがきっかけで、去年から月に2回、教室に通っています。
(蒼弥くん)「どんどん自分が作っていくと、完成していくところが楽しいところだと思う」
「待つ」や「繰り返す」など指示が書かれたブロックを組み合わせて、思い通りの動きになるようプログラミングします。
休憩中、蒼弥くんが口にしているのは、鹿児島銘菓・ボンタンアメ。ボンタンの甘さと、弾力、オブラートに包まれていて手が汚れないところもお気に入りです。
好きが高じて今年2月からボンタンアメをテーマにした工場見学やミニゲームを制作中。身近にあるものの魅力をプログラミングを通して伝えます。
(蒼弥くん)「幼稚園の時からボンタンアメが好きだったから、たくさんの人に知ってもらいたくてテーマにした」
ボンタンアメについてまとめたノートです。テーマについて徹底的に調べることで、プログラミング技術はもちろん「自分で学び、考える力」も養います。
(アイティーキッズラボ 伊牟田雅子代表)「1教えれば10できるぐらいの生徒で、とっても優秀」「ただ座ってパソコンの前で操作するだけではなくて、社会との関わり方も積極的に取り入れてもらいたい」
製造工程の中で、特に力を入れるのが「あめの滝」です。固まる前のボンタンアメが2階から1階の加工場へ落ちる様子を表現します。
(蒼弥くん)「あめの滝という割には迫力がないから、迫力をつけていこうと思う」
あめの量を増やすことで迫力を出そうと、プログラムを修正します。
(先生)「ちょっと近づいたんじゃない?でも少し滝になるのが早かったかな?」
(蒼弥くん)「そうかも」
先生)「じゃあ、“何秒待つ”にちょっとずつ調整が入るといいかもね」
パソコンに向かうことだけでなく、体を動かすのも大好きという蒼弥くん。家族と公園で過ごす時間は週末の楽しみの一つです。
初めて会った子どもともすぐに打ち解け、一緒に楽しんでいました。
(蒼弥くんの父・金子芳郎さん)「友だちをつくるのは得意、すぐ仲良くなってすぐ遊ぶ感じ。主体的になんでも取り組むような、チャレンジ精神旺盛な大人になってほしい」
この日、プログラミングに反映させたいと、ボンタンアメを製造する鹿児島市のセイカ食品へ取材に訪れました。
(蒼弥くん)「(あめの滝が)来た!」
(セイカ食品品質保証室 三浦優美主任)「これができたてのボンタンアメで、温度が90度以上。すごく温度が高いのに湯気が立っていないよね」
(蒼弥くん)「たしかに」
(蒼弥くん)「(ボンタンアメは)どのように冷やしているのですか?」
(三浦主任)「あめが乗っている下の方には冷水が流れているので、あめが落ちてくる冷却板はすごく冷えている」
取材を通してボンタンアメへの理解を深めた蒼弥くん。さっそく、修正したい所が見つかりました。
(蒼弥くん)「冷却の場所の説明書きを、改めて書き直したいと思う」
取材の最後には、大事なお願いも忘れません。
(蒼弥くん)「商品画像や商品名を、自分で作っているアプリ内で使いたいと思っているので、許可をいただけますか?」
(三浦主任)「社長に聞いて連絡をします」
(三浦主任)「この年代からなかなかボンタンアメという言葉は聞くことがない。あえてボンタンアメを選んでくれたことがまずうれしい」
(蒼弥くん)「鹿児島の人、日本の人、できたら世界の人まで遊んでもらえたらいいなと思う」
(三浦主任)「楽しいゲームを期待しています」
エールをもらった蒼弥くん。9月ごろの完成に向けて、さらなる改良を続けます。