離島防衛を想定した日米の共同訓練「アイアン・フィスト」。徳之島で2日から本格的に始まっていて、3日は、水陸両用車の上陸訓練や、その要となるアメリカ海軍の強襲揚陸艦が報道陣に公開されました。
午前9時、伊仙町のグラウンドに降り立ったアメリカ海兵隊の輸送機。
(記者)「ヘルメットとゴーグルをつけて、これから輸送機に乗ります。向かう先は徳之島の東の沖合いです」
海上を飛行すること、およそ30分。
(記者)「巨大な『強襲揚陸艦アメリカ』の姿が見えてきました」
到着したのは、離島への上陸作戦の“要”とも言われる海軍の強襲揚陸艦アメリカです。全長およそ260メートル、排水量4万5000トン。最大2000人の隊員を乗せられます。
「アイアン・フィスト」に参加していて、その内部が報道陣に公開されました。
(記者)「装備のメンテナンスをする空間です。中でもひときわ目立つのが、F−35Bです」
特徴のひとつが、短い距離で離陸し、垂直に着陸できる最新鋭の戦闘機「F−35B」を最大で16機搭載できる点です。長さ200メートルを超える飛行甲板から、最短30秒間隔で次々と機体を発進できるといいます。
(米海軍 マイケル・バレスター少佐)「防衛のために日本との訓練を繰り返し、とても光栄に思います」
午後からは海岸で、日本の輸送艦1隻とアメリカの揚陸艦1隻から、偵察ボートや水陸両用車「AAV7」が出て、日米あわせて250人の隊員が上陸訓練をしました。
また、3日は日米のオスプレイも上空を飛行しました。
中国による海洋進出の動きの活発化と、台湾有事が懸念される中、徳之島での訓練の狙いについて、日米は…?
(陸自水陸機動団長 梨木信吾陸将補)「一段と厳しさを増す国際情勢において、我が国・周辺の抑止力、対処力強化を図る上で、大変意義のある訓練であったと認識」
(米第3海兵機動展開旅団長 フリドリック・フリドリクソン准将)「米海兵隊と陸自は日本の防衛のために、安全保障条約を支えるパートナーとして、ともに訓練している。今後もパートナーと成長する機会を楽しみにしている」
そして、喜界島でも3日から初の日米共同訓練が行われ、日米双方の輸送機から陸上自衛隊の隊員100人がパラシュートで降り立ちました。
(住民)
「自主防衛と言っていたが、どうなったのか」
「怖いが、やっぱり自衛隊は大事」
アイアン・フィストは、喜界島での訓練は3日で終わり、徳之島は5日ごろまで行われます。