種子島・屋久島・口永良部島の移住者らが、起業やイベントなどを通して地域おこしを学ぶ研修会が去年からはじまっています。大阪から南種子町に移住した女性が研修会をきっかけに、長年の夢に挑戦しました。
研修会は、鹿児島県の熊毛支庁が地域活性化のために去年7月から始めました。熊毛地区の3島から移住者を中心におよそ25人が参加。県内の離島で事業を立ち上げた人から話を聞くなど、これまで6回にわたって地域おこしのノウハウを学んできました。
参加者はこの日、自分で考えたアイデアを金融関係者らの前で発表しました。
口永良部島からの参加者は、自分で釣った魚を加工販売する会社を立ち上げる事業をプレゼンしました。
(口永良部島から参加)「自分のやりたいことが形になっていくのを感じて、最後は発表までできて貴重な時間だった」
研修会へ参加した南種子町の松山理恵さん、47歳。大阪からの移住者です。
小型のサーフボードに腹ばいになって波に乗るスポーツ、ボディボード。松山さんはサーフィンに比べ初心者や子どもでも楽しみやすいボディボードの大会を南種子町で開く計画を説明しました。
「昔ボディボードをやったことがある人や、やったことのない人でも誰でも参加できる気軽なクラスで、数に限りあるが道具も貸し出す」
(松山理恵さん)「私が種子島に移住し20年以上住む理由そのものがボディボード」
1年中サーフィンを楽しめることから国内外のサーファーに愛される種子島。26歳の時、ボディボードのため種子島を訪れた松山さんも島の海に一目ぼれし、その日に移住を決意しました。兵庫からの移住者・孔夫さんと出会い結婚。20年前に焼肉店をオープンし二人三脚で経営してきました。
県によりますと、2021年度の県内への移住者は2077人で過去最多を更新していて、移住者の定住に繋がる環境づくりが次の課題となっています。
(松山理恵さん)「あちこち行くがやっぱり種子島の海が1番だと思う。ここでボディボードの大会があればいいなという気持ちはずっと前からあった」
母に憧れてボディボードを始めた長女の朱里さん・9歳も夢の実現を応援しています。
(松山理恵さん)「今度の大会も大人に混じって出ると言っている」
(朱里さん)「(Q.どうしてボディボード始めた?)お母さんが大会に出ているから。(Q.お母さんは?)うまい、上手」
(夫・孔夫さん)「自分は横で焼きいも焼いて振る舞うつもり。子どもから大人も楽しめる、初めての人が興味持つような大会になればよい」
先月19日、地元のサーフショップや友人らの協力で念願だったボディボード大会を開きました。初心者から上級者までの4部門に千葉県や愛知県からもおよそ30人が参加し、種子島の波を楽しみました。
(参加した高校生)「あまりボディボードだけの大会はないので、やったことのない人でもみんなで楽しめて良い機会だと思う」
(南種子町から参加)「今回ボディボードの大会をやるとなって久しぶりにやった。全身運動ですごい疲れた。でも楽しかった」
(記者)「南種子町のビーチにプロのボディボード選手が集まり、地元の観客が熱い視線を送っています」
さらに全国から集まった6人のプロ選手によるエキシビションマッチも開催。その中には松山さんの姿も。
そして、競技後の表彰式で入賞者に贈られたのは、娘の朱里さん手作りの焼肉券です。
松山さんは今後、種子島の海の魅力を発信し、全国から集まるボディボーダーたちの受け入れ環境の整備にも力を入れたいと話します。
(松山理恵さん)「地元の人がすごく受け入れてくれるので良い環境だと思う。今回これだけたくさんの人が集まって協力してくれた中で、それぞれできることがあると思う。種子島で色んな人が楽しめる環境を作っていきたい」