■H3ロケット“再”打ち上げ 7日午前10時37分55秒

日本の次期主力ロケットH3が、7日午前に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられます。多くの人が関わる新型ロケットの開発。そこにはロケットの打ち上げを見つめたかつての少年もいます。

■優秀だがコスト高のH2A
H3は、日本の主力ロケットH2Aの後継機です。H2Aは、46機中45機で打ち上げに成功しています。成功率は97.8%と世界最高水準ですが、ロケットに衛星などを載せる国や企業などが負担する費用はおよそ100億円と世界水準より3割ほど高く、課題となっています。

H2Aロケット


■低コスト・高性能のH3
打ち上げ受注ビジネスで日本が世界で勝ち抜くために、2014年から開発が始まったのがH3です。開発費を抑えることで打ち上げ費用をH2Aの半分のおよそ50億円にする、低コスト化を追求しました。

打ち上げは新型メインエンジンのトラブルが原因で当初の予定より2年延期。そして2月には、電気系統のトラブルでカウントダウン中に打ち上げ中止…。再三の試練に見舞われたH3ですが、9年間に及んだ開発には県出身者の技術者も携わっていました。

H3ロケット 種子島宇宙センター


■原点は家族で見たロケットの打ち上げ

(三菱重工業 坂中志朗さん)「やることはやったので、あとは上がってくれたら」

愛知県の三菱重工業小牧北工場。ロケットの心臓部である、エンジンの組み立てを担当する技術者・坂中志朗さん(44)です。

坂中志朗さん(種子島出身) H3のメインエンジンLE-9の組み立てリーダー



種子島生まれの坂中さん。これまで、自分が組み立てたエンジンで打ち上げられるロケットを何度も見届けてきました。原点は、子どもの時に家族で見たロケットの打ち上げです。

ロケットにあこがれる少年だった



(坂中さん)「やりたい仕事を思い起こさせてくれたのは、最初に見た打ち上げ。自分の人生は種子島があってこの仕事ができている」

坂中さんはH3のメインエンジン・LE−9を組み立てる現場リーダーとして、開発に携わってきました。